東京の日本橋三越本店で2022年12月14日から2022年12月24日まで開催された「第63回 2022年 報道写真展」を見に行った。
展示写真
※展示された写真は撮影可能である事が会場内に掲示されていた。
速報写真の展示として、サッカーワールドカップカタール大会で優勝したアルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手、ロシアのウクライナ侵攻が続く中でアメリカを訪れたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、報道写真展を訪れた岸田文雄首相の姿を収めた写真などが展示された。
東京写真記者協会による挨拶文。
一般ニュース部門賞・国内の部の写真は知床半島沖で沈没した観光船KAZU I(カズワン)が海底から引き揚げられる写真、一般ニュース部門・国内の部の奨励賞は安倍晋三さんの位牌を抱える安倍昭恵さんの姿の写真。
一般ニュース部門賞・海外の部の写真と、一般ニュース部門・海外の部の奨励賞の写真はどちらもロシアのウクライナ侵攻に係る写真だった。
スポーツ部門賞・国内の部は2022年4月10日、完全試合を達成してウォーターシャワーでの祝福を受ける千葉ロッテマリーンズ・佐々木朗希投手の姿を収めた写真。後述するように、報道写真展を訪れた佐々木投手はサインを書き残している。
スポーツ部門・国内の部の奨励賞は2022年10月22日、現役最後のレースに出場した女子スピードスケートの小平奈緒さんの姿を収めた写真。
スポーツ部門賞・海外の部は2022年2月15日、北京冬季オリンピック、スピードスケート女子団体パシュート(追い抜き)でゴール目前に転倒した高木菜那さんの姿を収めた写真。
スポーツ部門・海外の部の奨励賞の写真は2022年6月29日、アメリカの野球のMLBのシカゴ・ホワイトソックスとの試合に「3番・投手兼指名打者」として出場した、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が先発投手として投球する姿を収めた写真。スポットライトのように西日の光が差している。
文化・芸能部門賞の写真は2022年5月24日、映画『トップガン マーヴェリック』のイベントに出席した主演のトム・クルーズさんと自撮りでツーショットを撮ろうとしてトム・クルーズさんに背を向けるファンの人達の姿を収めた写真。
コラージュにするという手もあるんだなと思い直した。
数日毎に貼り替えられた羽生結弦さんの秘蔵写真。
この写真には『シュワッチ!』という題が付いた。2022年3月24日、第94回選抜高等学校野球大会の6日目、九州国際大学付属高校対広陵高校の試合の4回裏でのダイビングキャッチの場面を収めた写真が一番印象に残った。右上にはスコアボードが写り、左にはプレーを見届ける審判がいて、避けるカメラマンも写っていて、一瞬の中できれいに収まっているなと感心した。
報道写真展を訪れた岸田文雄首相のサインが書かれたこの写真は、2022年6月26日、ドイツ・エルマウで開催されたG7サミットでの写真。写っているのは左から、EUのシャルル・ミシェル大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのオラフ・ショルツ首相、アメリカのジョー・バイデン大統領、イギリスのボリス・ジョンソン首相、日本の岸田文雄首相、EUのフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長。
2022年4月10日、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合・13者連続奪三振・1試合19奪三振を記録した時の写真。報道写真展を訪れた佐々木朗希投手がサインを残している。
報道写真展を訪れた岸田文雄首相のサインが書かれたのは、日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4ヶ国首脳会議に臨む際の写真。左から、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相、アメリカのジョー・バイデン大統領、日本の岸田文雄首相、インドのナレンドラ・モディ首相。
惜別
『惜別』の展示として、2022年に亡くなった著名人の過去に撮影された写真が展示されていた。
ノートと製品パンフレット
「ご自由にご感想をお書きください」として置かれたノートには報道写真展を訪れた人達が感想を書いていた。その横には、ソニー・ニコン・キヤノンのミラーレス一眼カメラと交換式レンズのパンフレットが置かれていた。
オリジナルの新聞
会場では2022年の報道写真展の写真で構成されたオリジナルの新聞が1部500円で販売されていた。また、これまでの報道写真展の記念写真集のバックナンバーも数量限定で販売されていた。
3台のカメラ
「ご自由に手にとってください」として三脚に取り付けて置かれていた3台のレンズ交換式フルサイズセンサーのミラーレス一眼カメラがあったため、望遠レンズを含めて触ってみた。
展示のカメラと望遠レンズを持ち上げる事はなかったが、深いグリップ、電子ビューファインダーの視野、ボタン操作、望遠レンズの操作から大きさを実感した。
使い慣れているからというのが大きいが、軽く触った程度ではなんとなく自分が今使っているコンパクトデジタルカメラの方が操作しやすいなと思った。コンパクトデジタルカメラよりも明るくはっきりと撮れるのは分かっていても、望遠で撮るためにここまで大きいレンズを持ち歩きたくないという感想に終始してしまった。新製品かつ求める条件を満たすコンパクトデジタルカメラが発売されないものかと待ち遠しくしている(1、2、3)。
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『三笘の1mm』はなぜ展示されていないのか
2022年12月2日、サッカーワールドカップカタール大会の日本対スペイン戦で象徴的な写真になった、ペナルティエリアを高所から見下ろすように撮影された『三笘の1mm』の写真は報道写真展で展示されていなかった。報道写真展を見て回っている間、来場していた人から「『三笘の1mm』が見たかった」という声が確かに聞こえた。見たかったという思いは分からなくもない。
しかし、件の写真は日刊スポーツや共同通信などの東京写真記者協会の加盟社のカメラマンが撮ったものではないため展示が無かった。この写真はAP通信のカメラマン、ペトル・ダビド・ヨセクさんが撮った写真である。撮影の裏側についてはスポーツ専門誌Number Webのインタビュー記事が詳しい。
写真はAP通信の写真データベースで閲覧できる。
また、同じ写真が撮影したヨセクさんのInstagramにも載っている。
Japan’s second goal in their 2-1 win over Spain was checked by VAR to determine if the ball had gone out of play.
— FIFA (@FIFAcom) 2022年12月2日
The video match officials used the goal line camera images to check if the ball was still partially on the line or not. pic.twitter.com/RhN8meei6Q
Other cameras may offer misleading images but on the evidence available, the whole of the ball was not out of play. pic.twitter.com/HKKEot0j1Y
— FIFA (@FIFAcom) 2022年12月2日
写真集
「第63回 2022年 報道写真展」の記念写真集が公式販売サイトで予約注文ができるようになっている(2023年1月5日時点)。価格は1冊2500円(送料別)。
巡回情報
2022年12月27日~2023年1月3日
静岡伊勢丹 8階 大催事場(静岡県静岡市葵区)【入場無料】
※2023年1月1日は店舗休業日
2023年1月7日~2023年4月16日
日本新聞博物館・ニュースパーク(神奈川県横浜市中区)【入場料:一般400円】
©東京写真記者協会
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