12月8日まで一般公開されていた皇居の乾通りと大嘗宮を見に行った。
大嘗宮一般参観及び令和元年秋季皇居乾通り一般公開について - 宮内庁
一般公開されていたのはTwitterを見ていて知った。
大嘗宮公開に来た。皇居ぐるぐる回って90分。皇居って広いのねえ pic.twitter.com/Nt1QZUAqbJ
— 三上洋 (@mikamiyoh) 2019年11月30日
大嘗宮の解説図
道中で配られていた紙の片面。
書き起こしてみた。なお、後述するように、英語での解説もあったので日本語と英語で書き起こした。
日本語での解説文
大嘗宮(だいじょうきゅう)
大嘗宮は、天皇陛下がご即位の後、初めて新穀を皇祖・天神地祇に供えられ、自らもお召し上がりになり、国家・国民のためにその安寧と五穀豊穣などを感謝され、ご祈念になる大嘗祭の中心的な儀式、「大嘗宮の儀」のために造営されたものです。
大嘗宮の儀では、本年11月14日の夕方から夜にかけて「悠紀殿供饌の儀」(ゆきでんきょうせんのぎ)が行われ、翌15日の暁前に「主基殿供饌の儀」(しゅきでんきょうせんのぎ)が行われました。悠紀殿供饌の儀では、①悠紀殿を中心とした右半分のエリアの建物が主に使用され、主基殿供饌の儀では、②主基殿を中心とした左半分のエリアの建物が主に使用されました。
①悠紀殿[ゆきでん] | 悠紀殿供饌の儀において、天皇陛下が、神饌[しんせん](新穀をもって調製された御食[みけ]・御酒[みき]など)をお供えになり、御拝礼の上、御告文[おつげふみ]をお奏しになり、自らもお召し上がりになった建物 |
②主基殿[すきでん] | 主基殿供饌の儀において、天皇陛下が神饌をお供えになり、御拝礼の上、御告文をお奏しになり、自らもお召し上がりになった建物 |
③廻立殿[かいりゅうでん] | 大嘗宮の儀に先立ち天皇皇后両陛下がお召替えなどをなさった建物 |
④雨儀御廊下[うぎおろうか] | 儀式中に天皇陛下がお通りになった、屋根の付いた廊下 |
⑤⑥帳殿[ちょうでん] | 皇后陛下が、ご拝礼のためにお出ましになった建物 |
⑦⑧小忌幄舎[おみあくしゃ] | 男子皇族が参列された建物 |
⑨殿外小忌幄舎[でんがいおみあくしゃ] | 女子皇族が参列された建物 |
⑩⑪膳屋[かしわや] | 神饌を調理した建物。⑩からは悠紀殿まで、⑪からは主基殿まで、それぞれ行列を立てて、神饌が持ち運ばれた。 |
⑫南神門[みなみしんもん] | 大嘗宮の中心部分を長方形に仕切る柴垣の東西南北及び雨儀御廊下の中央に設けられた5つの門の一つ。 |
⑬⑭楽舎[がくしゃ] | 楽師が奏楽を行った建物 |
⑮⑯庭積帳殿[にわづみのちょうでん] | 各都道府県の特産である農林水産物(庭積みの机代物[つくえしろもの])が供えられた建物 |
⑰⑱風俗歌国栖古風幄[ふぞくうたくずのいにしえぶりのあく] | 楽師が、歌(悠紀地方及び主基地方の風俗歌[ふぞくうた]と国栖[くず]の古風[いにしえぶり])を奏した建物 |
⑲威儀幄[いぎあく] | 武官の装束(黒色又は緋色[ひいろ]の衣)を着た者(威儀の者)が着座した建物 |
⑳衛門幄[えもんあく] | 武官の装束(縹色[はなだいろ]の衣)を着た者が着座した建物 |
㉑庭燎舎[ていりょうしゃ] | 庭火を焚いた建物 |
㉒斎庫[さいこ] | 新穀を保管した建物 |
㉓幄舎[あくしゃ] | 参列諸員が着席した建物(大嘗宮の儀終了後、撤去済み) |
㉔黒木灯籠[くろきとうろう] | 皮付き丸太で作られた灯籠(番号を付したもの以外にも各所にある) |
英語での解説文
Daijokyu
The Daijokyu is the complex specially built for the Daijosai, a traditional ceremony accompanying the enthronement of the Emperor. The precedents of the ceremony date back at least to the 7th century. Having ascended the Throne on 1 May 2019, His Majesty the Emperor performed the main rituals of the Daijosai from the evening of 14 November to the predawn of 15 November.
①Yukiden | ,where, from the evening to the night of 14 November, His Majesty offered newly-harvested rice to the Imperial Ancestor and the deities of heaven and earth and then partook of the rice himself, expressed gratitude to the Imperial Ancestor and these deities for peace and abundant harvests, and prayed for the same on behalf of the country and people |
②Sukiden | ,where, from the small tours to the predawn of 15 November, His Majesty performed the same ritual written in ① above |
③Kairyuden | ,where, Their Majesties the Emoeror and Empress performed ceremonial purification and changed clothes before the ceremony at the Daijokyu |
④Ugi-o-roka | Roofed passages for the Emperor |
⑤⑥Choden | ,where, Her Majesty the Empress made obeisance |
⑦⑧Omi-akusha | The Pavilions for the male members of the Imperial Family |
⑨Dengai-omi-akusha | The Pavilions for the female members of the Imperial Family |
⑩⑪Kashiwa-ya | ,where divine oblations (food and "sake" made from new rice and other harvests) were prepared |
⑫Minami-shinmon | One of the five gates of the inner precincts of the Daijokyu |
⑬⑭Gakusha | ,where the court musicians sang and played instruments |
⑮⑯Niwazumi-no-choden | ,where the harvests from the 47 prefectures were placed |
⑰⑱Fuzokuuta-kuzu-no-inishieburi-no-aku | ,where the court musicians sang the ancient airs of Kuzu and the "waka" (traditional poems) describing the sceneries and folkways of the Yuki and Suki Districts |
⑲Igi-aku | ,where court officials in black or red ancient military costumes served |
⑳Emon-aku | ,where Imperial Guard Officers in light navy ancient military costumes served |
㉑Teiryosha | ,where fire was kept burning during the ceremony |
㉒Saiko | The store house for sacred rice |
㉓Akusha | Pavilions for those attending the ceremony (removed after the ceremony) |
㉔Kuroki-toro | Lanterns made of unbarked timbers |
また、宮内庁のホームページには配られた解説図よりも詳しい平面図が載った『大嘗宮について』というPDFが掲載されている。
参観ルート図
道中で配られていた紙の片面。大嘗宮の解説図の裏に書かれてある。
実際に通ったルート
実際に通ったルートは以下の図の黒い線で表した。
乾通り
手荷物検査のために並ぶ。
手荷物検査を無事通過。
宮内庁庁舎。
乾通りを歩く。
フユザクラ(冬桜)。
シキザクラ(四季桜)。
大嘗宮へ向かう
しばらく乾通りを歩くと待ち時間の立て札が現れた。
大嘗宮を見る方向と乾門の方向に分かれる地点。大嘗宮を見るためにここで右に曲がる。
西桔橋を渡る。
江戸城跡がある場所に出た。
大嘗宮が見える。
竹林。
竹林の数々。
石室。解説曰く、使い道は諸説あるが、大奥用の調度を火事などの非常時に避難させた場所だと考えられているという。
フローレンスナイチンゲール。
コウシンバラ。
チャノキ。緑茶や紅茶の原料として使われるのはこの新芽。
午砲台跡。
本丸大芝生。
この辺りは本丸大芝生。
これは、
緑の泉というらしい。うっすらと「緑の泉」と書いてある。
ニワザクラ(庭桜)。
消火器が入った箱。
大嘗宮
実際の参観ルートは上の図の赤い線で引いた通り。
膳屋[かしわや]:神饌を調理した建物。
小忌幄舎[おみあくしゃ]:男子皇族が参列された建物。
【左】風俗歌国栖古風幄[ふぞくうたくずのいにしえぶりのあく](左):楽師が、歌(悠紀地方及び主基地方の風俗歌[ふぞくうた]と国栖[くず]の古風[いにしえぶり])を奏した建物。
【右】小忌幄舎。
大嘗宮には木材がふんだんに使われているように見える。
庭燎舎[ていりょうしゃ]:庭火を焚いた建物。
衛門幄[えもんあく]:武官の装束(縹色[はなだいろ]の衣)を着た者が着座した建物。
【左】南神門[みなみしんもん]:大嘗宮の中心部分を長方形に仕切る柴垣の東西南北及び雨儀御廊下の中央に設けられた5つの門の1つ。
【右】衛門幄。
黒木灯籠[くろきとうろう]:皮付き丸太で作られた灯籠。
小忌幄舎[おみあくしゃ]:男子皇族が参列された建物。
【中央左】庭燎舎。
【中央右】衛門幄。
【右端】西新門。
【手前】楽舎[がくしゃ]:楽師が奏楽を行った建物。
【奥】主基殿[すきでん]:主基殿供饌の儀において、天皇陛下が、神饌[しんせん](新穀をもって調製された御食[みけ]・御酒[みき]など)をお供えになり、御拝礼の上、御告文[おつげふみ]をお奏しになり、自らもお召し上がりになった建物。
【左】主基殿。
【右】斎庫[さいこ]:新穀を保管した建物。
【手前】主基殿。
【奥の大きな屋根】悠紀殿:悠紀殿供饌の儀において、天皇陛下が、神饌(新穀をもって調製された御食・御酒など)をお供えになり、御拝礼の上、御告文をお奏しになり、自らもお召し上がりになった建物。
石の鳥居は「中の神門」という。
廻立殿の裏側。廻立殿[かいりゅうでん]:大嘗宮の儀に先立ち天皇皇后両陛下がお召替えなどをなさった建物。
大嘗宮から後
英語での大嘗宮の解説図。
日本語での大嘗宮の解説図。
桃華楽堂。
書陵部庁舎。
平川門。
-end-