Google+が2019年8月に一般ユーザー向けサービスを終了するというニュースがあった。
Google+について説明してみる
Google+は文字通り、2011年にスタートしてGoogleが運営してきたSNSだ。「Facebookへの対抗手段として…」という話もあるように、使っている身からすれば、性質的にはFacebookに似ている。
Facebookでの「いいね!」ボタンは「+1」ボタンで1つの投稿につき500件のコメントが入力できた。投稿を再共有する事で拡散する事もできた。
投稿のオプションとしては、上の図の通りだ。画像・動画、URLの挿入はもちろん、アンケートやGoogleドライブからのファイル挿入、位置情報の添付ができたが、どれか1つを選ぶと、他のオプションが使えないという特徴があった。
URLを挿入した投稿の例。投稿フォーム左上の↔でアイキャッチ画像を切り替えられる。
Facebook以上に投稿の公開範囲やストリーム(=タイムライン)に表示される投稿の種類を細かく設定することもできる。フォロイー(フォローする人)をカテゴリー分けのように振り分けられる"サークル"の機能や"ストリーム"つまりタイムラインに流れるコミュニティの投稿を非表示にできるなど、Google+はFacebookよりも多彩だ。
2012年頃のAKB48の「ぐぐたす選抜」や「ぐぐたすの空」でGoogle+を知った人もいると思う。
「ぐぐたす選抜」について探す中で、AKB48グループメンバーのGoogle+投稿をアーカイブしているというページを見つけた。しかし、Google+が終了すると掲載されているアーカイブが消えるのかはシステムに詳しくないのでわからない。
AKB48のGoogle+ぐぐたすアーカイブ - ArKaiBu Project48
つまり48Gメンバーの長年の投稿やコメントが、来年8月末でぜんぶ見られなくなるのか…Google、何やってくれてんだ… https://t.co/syBkyyaDK6
— きむにぃ (@kimneeey) October 9, 2018
Google+は広告が流れないSNS
Google+において1番特徴的だったのは「広告が流れて来ない」という点だ。
ストリーム(=タイムライン)を直接見せる事はできないが、TwitterやFacebook、Instagramとは違い、Google+はアプリを開いても、ウェブ版を見ていても、広告が流れてこなかったのだ。
ちなみに、カップヌードルやPanasonic Japanなどの企業公式アカウントがGoogle+にもある。
Google+と自分の関係
俺はGoogle+を2015年から使っていて約3年くらいになる。それ以前からGoogle+の存在はなんとなく知っていた。Ingressのために始めた(Ingressも2015年に始めた)。Ingressが正式にサービスを開始した2013年はNianticがGoogle傘下にあった。それもあってか、プレイヤー同士のコミュニティや情報収集、Nianticからの情報発信はGoogle+が主であったように感じた。それはNianticが独立した今でも変わらないと思う。
Ingressの機能においても、Google+アカウントをリンクさせて、Ingress内でのプレイヤープロフィールにGoogle+とのリンクを示す仕組みが導入されている。「RuinDig」の横にある「g+」のマークがそれだ。
Nianticの方と公式アカウント
今日に至るまで、こうしてNianticの川島優志さんや須賀健人さん、ジョン・ハンケさんの投稿もあれば、
グローバルコミュニティマネージャーであるアンドリュー・クルーグさんがプレイヤーとのQ&Aの機会を設けることがあった。
また、NianticやIngress公式アカウントからの投稿も多くあった。
そして、Google+においては、オープン/クローズドコミュニティが形成されてきた。 Nianticが設けたIngress公式コミュニティであったり、
Ingressプレイヤーの有志が非公式コミュニティを設ける事もあった。
世界各地域のIngressプレイヤーは自分が活動する地域別にGoogle+コミュニティを設けてきたという経緯もある。最後の更新からずいぶんと間が空いていると思われるが、今日までに少なくとも500以上のオープン/クローズドの非公式プレイヤーコミュニティがGoogle+上にプレイヤー有志によって開設されてきた。
※Ingressプレイヤーのコミュニティ紹介ページを載せていたが、Ingress公式サイトの刷新によってページが削除されてしまった。ウェブアーカイブのデータや以下の非公式攻略サイトと画像を参照してほしい。
もう1つ、Google+の機能として、「コレクション」を挙げておく。これは自分で投稿をカテゴリー分けするのが主な使い方だと思う。
ここまで書いてきて、Google+の一般公開の投稿をHTMLコードを使って埋め込んできたが、Google+が終了すれば、埋め込んだ投稿も表示されなくなるだろう。
ちなみに、自分の投稿に関する統計情報を自分のGoogle+ページから閲覧できる。「基本情報」の隣にある「︙」をクリックすると見られる。
Google+のイベントページ
あと、「イベント」機能についても触れておこう。「基本情報」の隣にある「︙」をクリックして「あなたのイベント」を選ぶと見られる。
イベント一覧の一部。
1. 右上の「イベントを作成」を選ぶと、
3. このようなメニューが現れる。タイトルや日時、場所などを任意で設定できる。ちなみに、イベントの内容は架空の内容も設定できる。
3. 「テーマを変更」から予め設定されている画像(GIF含む)を選ぶ。用意されているテーマは豊富であり、自分のオリジナル画像をアップロードしても設定できる。
4. 場所を設定し、
5. イベントの詳細を入力して(任意)、共有範囲を設定し、「招待」を選ぶとイベントページが公開される。
6. イベントページにはコメントや写真を投稿できる。Google+ストリーム(タイムライン)に比べると投稿できる内容は少ない。イベントページのテーマは後から変更できる。
2015年10月31日に開催されたミッションデイ横須賀のイベントページ。Nianticが正式に設定した。
こちらもNianticが正式に設定したイベントページ。OLW's Global Portal Surveyに関する日本語での説明は以下のファンサイトが詳しい。
Google+とGoogleハングアウト
*3
Google+はGoogleハングアウトを使ったIngressプレイヤー同士のコミュニケーションにも欠かせなかった。
その事は『法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する』(水野祐、フィルムアート社、2017年)という本にも書かれている。
"ゲーム上の仮想世界での行為が現実世界に相互作用するゲームという特性上、特定の地域のプレイヤーがGoogle ハングアウトなどのオンライン・ビデオ通話を使ってコミュニティを形成したり、オフ会をやったりするプレイヤーも出てくるなど"
出典:水野祐『法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する』(フィルムアート社、2017年、p.190)
Googleハングアウトアプリのこの画面で、Google+アカウントと同じ名前を入力して、別のIngressプレイヤーと個別やグループチャットを作るなどしてコミュニケーションをしてきたという過去もある。
自分の卒業論文とGoogle+
自分の卒業論文では31件ある引用と出典(先行文献研究14件を含む)のうち、Google+を用いた引用と出典が11件あり、2章に至っては9件の引用と出典があるので、論文を公開している身としては辛く、残念であり、仕方ないと受け止めるほかない。ハイパーリンクはこのままにする方針だ。
Google+プロフィールについて
Googleアカウントを1から作った時に、Google+プロフィールについての説明があったような記憶がある。今はないのかな。
Google+プロフィールがどんなものなのかというと、以下の通り。
1. 自分のアカウントで自分のGoogle+プロフィールを見る時
自分のアカウントのページ(https://plus.google.com/+RuinDig など)に飛び、「基本情報」のボタンを選ぶと見られる。
2. 他のアカウントのGoogle+プロフィールを見る時(他のアカウントから自分のGoogle+プロフィールはどう見えるのか)
各アカウントのページ(https://plus.google.com/+RuinDig など)に飛び、「基本情報」のボタンを選ぶと見られる。
他には以下のツイートを読んでおくと良いかもしれない。
https://t.co/xiJycowN4q 「Google+なんて使ってる人いるの?w」という反応もあるが、実際には、自分がGoogle+のアカウントを持っているということすら気付いていないユーザーが大勢いるという指摘。YouTube使ってるとGoogle+ももれなくついてくるはず。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) October 8, 2018
https://t.co/4pxo1geKyt 自分がGoogle+のアカウントを(知らないうちに)持ってるかどうかの確認方法。Gmailにログイン→右上のプロフィール画像(アバター、アイコン)をクリック(何も設定していなければアカウント名の頭文字のはず)→表示された画面に「Google+ Profile」とあればアカウントあり
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) October 8, 2018
https://t.co/tGOmSuUZu6 「あなたの持ってるGoogle+アカウントを確実に削除する方法」。ブライアン・ファンさんがキャプチャ画像満載でわかりやすく解説してくれています。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) October 8, 2018
各種記事など
Google+は不人気とは言え、自分のウェブサイトでのGoogle検索ロボットの認証や、Googleマップの地図データ登録、Ingressコミュニティ、他サービスへのログインなどで使われている。困る事態もありそう
— 三上洋 (@mikamiyoh) October 9, 2018
Google has shut down Google+ due to a massive privacy vulnerability pic.twitter.com/k4ys9gvxpC
— NowThis (@nowthisnews) October 9, 2018
ケータイWatchの記事は、Ingressプレイヤー同士のGoogle+を通じたコミュニケーションについても書いてあり、他では見られないので良いと思っている。
Twitterでも公式にまとめられている。
「グーグル+」50万人の情報流出のおそれ 個人向けは終了へ #nhk_news https://t.co/PiRrvYyXcT
— NHKニュース (@nhk_news) October 9, 2018
Google公式ブログ。Google+を終了する旨が、"Action 1: We are shutting down Google+ for consumers."というように書いてある。
終了するのはまだ先だが、Google+、今日までありがとう。最後までよろしく。
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