日本時間の2022年7月13日の0時からYouTubeでライブ配信されたNothing Phone (1)の発表会を見た。
発表会までの情報について
発表会の前までにPhone (1)の開発背景などに触れた「Preparing for phone (1) ft. Carl Pei | Nothing Series #1」と「Inside phone (1) | Nothing Series #2」と「Making Phone (1) ft. Qualcomm | Nothing Series #3」という3つの動画が公開され、Nothingのロンドンオフィスの引っ越し、ロンドンを選んだ理由について話すカール・ペイCEO、Phone (1)の側面のアルミフレームに関係するアルミニウムのリサイクル施設の視察の様子、Phone (1)の負荷試験の施設の様子、Phone (1)のサウンドデザインなどについて語られている。また、動画の公開の他に、メディアを通じたSnapdragon 778G+の正式公表、Nothingの公式ブログでのカメラスペックと静止画撮影例の公表、MKBHDとDave2Dによるグリフインターフェースの背面LEDのギミックについて触れた先行レビュー動画の公開、Stock Xでのオークション形式での限定100台の販売、日本向けの先着100人限定の先行予約キャンペーン、日本の技適の取得などがあった。
発表会の映像
映像は以下の通り。カール・ペイCEOの講演部分には英語・日本語・中国語・韓国語字幕が後から追加された。
Nothing Event. Return to instinct
冒頭はカール・ペイCEOがカフェの店内で話をする場面から。「この基調講演は2時間ではなく15分で終わるようにするので心配ありません。」という一言から始まる。
スマートフォンができた事で人々の生活やコミュニケーションにもたらした影響の大きさ。
似た製品やインスピレーションのない製品が出てきた事によるスマートフォン産業の終焉をNothingは感じていない。
異なる業界の会社からベテランが集い、あえて別の道を追求した事。
消費者のデータ・競合他社のデータ・サプライチェーンの技術ロードマップを参照する事、優秀なアナリストを採用する事によるデータの解析、上手く動く製品を紙の上で検討する事を通じた冷徹なハードデータに頼るだけではなく、自分達の直感にも頼って製品を作りたいと思った。しかし、紙面上では上手く行くかどうか分からないから、ちょっとリスクが高い。
Nothingにとって重要ないくつかの原則の1つ目は、自分自身が消費者として店頭に立つ時に、Nothingの製品を選びたいか、買いたいか、使いたいかという事。2つ目は家族や友人に製品を誇りを持って紹介したいかという事。この2つがPhone (1)の開発を導いてきた事。
最近は製品情報の社外へのリークのコントロールが難しいため、自分達で公開した方が良いと感じたためデザインを公開した事。
――などについて語っている。
Nothing Event. Return to instinct
カール・ペイCEOは映画館のような場所に移動してPhone (1)の特徴について説明し始めた。
Phone (1)で何か新鮮なものを消費者に届けたいと感じて背面のグリフインターフェースを作った。
着信相手別にグリフインターフェースの点灯パターンを設定できて、Phone (1)を伏せると着信音は無音になってLEDの点灯で知らせる。
充電時のプログレスバーとして充電量を表示するLED。
最近のスマートフォンは3眼カメラや4眼カメラを備えているが、カメラの数が写真の品質を上げるわけではない。4眼カメラの場合では、1つだけ優秀な性能のカメラを備えて他のカメラは安価なものにして高度なカメラとアピールしているが、他の3つのカメラを使われた時に品質に満足してもらえなければ、長期的に見るとブランドの信頼を損なう事になる。
Nothingにとってサステナビリティは最初から大事だが、行動に起こして事実を述べる事が重要である。
前面と背面にはコーニングのGorilla Grass 5を採用。側面は100%リサイクルアルミフレームのため、プラスチック部分に触れる事はない。Phone (1)に使用するプラスチックは50%以上がバイオプラスチックか再生プラスチック。
はんだ付けに使用したスズは100%リサイクルで、Nothingが知る限りでは業界ではNothingだけが取り組んでいる。
一部のAndroidスマートフォンのようにOS上に重いUIを置いて独自のアプリを置くのではなく、デフォルトのアプリにも良いアプリはある。
Nothingのビジョンは、人とテクノロジーの間に障壁がなく、スマートフォンをデジタルライフ全体のハブとして使用できる世界で、Nothingにとって重要なのは、Nothing OSとユーザーが使用している他の製品との接続性を構築する事。
――などについて語っている。
Nothing Event. Return to instinct
後半はNothingのメーガ・ヴィシュワナスさんによるライブインタビューが行われ、カール・ペイCEO、デザイン部門トップのトム・ホランドさん、Qualcommのエミリアノ・ソッターニさん、その他はロンドンでのイベントの参加者などがインタビューに応じている。QualcommのエミリアノさんからはNothingとQualcommの協力は今後も続く事、デザイン部門トップのトムさんからはデザインで皆の意向を1つの方向にまとめる辺りに最も苦労した点の話があった。
感想
Phone (1)のスペックについて、PCMagやNothingの公式ブログで先出ししていた情報がいくつかあったとはいえ、先出ししていた分も含めてスペックについてはもう少し視覚的なビジュアル上の表現があっても良かったと思った。
このスペックパネルのように。
Nothingの理念を伝えるのも大事だけど、スペックについての情報を視覚的なビジュアル上の表現で伝える方が、グローバル発表をリアルタイムに聞く上では理解しやすいのかもしれないと感じた。一方で、発表会の演出についても他社と差別化するという考えがあったかもしれない。
ライブインタビューの演出はCNBCでリポーターとしての経験があるメーガさんの立ち回りも含めて良かったと思った。
QualcommのエミリアノさんからはNothingとQualcommの協力は今後も続く事、デザイン部門トップのトムさんからはデザインで皆の意向を1つの方向にまとめる辺りに最も苦労した点の話があった他、わずかな時間ながら、Wallpaper*の人などの招待客へのインタビューなどでは好感を得られていると受け止めた。もしもあの場にいて急にインタビューを振られたら答えられるかと言われると自信はあまりない。
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